「親の実家を建て替えて住みたい」
「親名義の土地に自分名義の家を建てられる?」
「相続前に建て替えても大丈夫?」
「住宅ローンは自分で組める?」
実家の建て替えは、新しく土地を購入して注文住宅を建てる場合とは少し事情が異なります。
すでに土地があるため土地購入費を抑えられる可能性がある一方で、
・実家の解体費
・土地と建物の名義
・親から子への相続
・贈与の可能性
・住宅ローン
・他の相続人との関係
などを確認してから進める必要があります。
特に注意したいのが、「親の土地だから、そのまま子どもが自由に建て替えられる」と考えないことです。
誰が土地を所有しているのか、誰が建物を所有するのかによって必要な手続きや住宅ローンの条件も変わります。
この記事では、実家を建て替える場合に必要な費用から、相続・名義・住宅ローンまでわかりやすく解説します。
この記事でわかること
・実家を建て替える費用の考え方
・土地ありでも必要になる費用
・親名義の土地に家を建てられるのか
・実家を相続してから建て替える場合の注意点
・土地と建物の名義の考え方
・住宅ローンを利用するときの注意点
・兄弟姉妹など他の相続人がいる場合の考え方
・実家を建て替える前に確認したいこと
実家を建て替える費用はいくら?
実家を建て替える場合に必要な費用は、大きく分けると、
新しい住宅の建築費
+既存住宅の解体費
+付帯工事費
+外構工事費
+仮住まい・引っ越し費
+登記・住宅ローンなどの諸費用
です。
すでに実家の土地を利用できるのであれば、新しく土地を購入する費用は基本的に必要ありません。
そのため、土地から購入して注文住宅を建てる場合と比べると、家づくり全体の予算を抑えられる可能性があります。
ただし、
「土地代がかからない=建物価格だけで建て替えられる」
わけではありません。
実家の解体や外構、仮住まいなど、建て替え特有の費用も考えておきましょう。
実家の建て替えに必要な費用の内訳
1.新しい住宅の建築費
最も大きいのが、新しい住宅を建てる費用です。
建築費は、
・延床面積
・平屋か二階建てか
・住宅性能
・間取り
・設備
・屋根や外壁
・内装
などによって変わります。
例えば30坪前後のコンパクトな住宅と、40坪以上の二世帯住宅では必要な予算が大きく異なります。
「実家と同じ大きさに建て直す」と決めるのではなく、これから住む家族に必要な広さから考えましょう。
2.実家の解体費
現在の実家を取り壊す費用です。
解体費は、
・実家の大きさ
・木造・鉄骨造・RC造などの構造
・前面道路の広さ
・重機が入れるか
・隣家との距離
・残置物
・塀や物置などの撤去
・アスベストへの対応
などによって変わります。
重要なのは、新しく建てる家ではなく、現在の実家の大きさを基準に解体費を考えることです。
例えば50坪の実家を解体して30坪の家へ建て替える場合、解体するのは50坪の既存住宅です。
3.仮住まい費用
親や自分たちが現在の実家に住んでいる場合は、新居が完成するまでの仮住まいが必要になることがあります。
賃貸住宅を利用するなら、
・家賃
・敷金・礼金
・仲介手数料
・共益費
・駐車場代
なども予算に入れておきましょう。
4.引っ越し費用
建て替えでは、
実家→仮住まい
仮住まい→新居
と2回の引っ越しが必要になる場合があります。
実家に長く住んでいると荷物が多いケースもあるため、不要な家具や家財を整理する費用も考えておきましょう。
5.付帯工事費
以前から家が建っていた土地でも、
・地盤改良
・給排水工事
・造成
・古い配管の更新
などが必要になる場合があります。
「以前から家が建っていたから、そのまま建てられる」とは限りません。
6.外構工事費
新居に合わせて、
・駐車場
・玄関アプローチ
・フェンス
・カーポート
・庭
などを整備する費用です。
建物の配置が変われば、現在の外構をそのまま利用できないこともあります。
7.登記・住宅ローンなどの諸費用
実家の建て替えでは、
・登記関連費用
・住宅ローン関連費用
・火災・地震保険
・各種申請費用
なども必要になります。
さらに相続や名義変更が必要な場合は、それに伴う手続きも発生します。
実家の建て替えで最初に確認するのは「名義」
実家を建て替えたいと思ったら、間取りを考える前に確認しておきたいのが土地と建物の名義です。
確認するのは、
土地の所有者は誰か
現在の建物の所有者は誰か
という2点です。
例えば、
・土地も建物も父名義
・土地は父、建物は母名義
・祖父名義のまま
・兄弟姉妹との共有名義
など、さまざまなケースがあります。
「実家だから親名義だろう」と思い込まず、登記事項証明書などで確認することが重要です。
親名義の土地に子どもが家を建てられる?
親が所有している土地に、子どもが自分名義の住宅を建てるケースはあります。
例えば、
土地:父名義
新しい建物:子名義
という形です。
ただし、土地と建物の所有者が異なるため、親子間で土地をどのように使用するのか整理しておく必要があります。
また、住宅ローンを利用する場合は金融機関によって条件が異なります。
土地所有者である親の同意や、土地への担保設定などが関係することもあります。
そのため、
「親が土地を持っているから、子どもだけで住宅ローンを組んでそのまま建てられる」
と自己判断せず、住宅会社と金融機関の両方に早めに相談しましょう。
親から土地をもらって建て替える場合
親から子へ土地を移してから建て替える方法もあります。
ただし、土地の所有権を移す方法によって、
・贈与
・相続
・売買
など扱いが異なります。
税金や登記の取り扱いも変わるため、単純に「先に自分名義へ変えた方がいい」とは限りません。
家族だけで判断せず、税理士や司法書士などの専門家へ確認することが大切です。
実家を相続してから建て替える場合
すでに親が亡くなっており、実家の土地や建物を相続している場合は、相続登記の状況を確認しましょう。
2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されています。
相続によって不動産を取得したことを知った場合、原則として一定期間内に相続登記を申請する必要があります。
古い実家では、
「祖父が亡くなっているのに土地が祖父名義のまま」
「親が相続したはずなのに登記を変更していない」
というケースも考えられます。
このような場合は、建て替え計画と並行して名義関係を整理する必要があります。
昔の相続でも登記が必要?
「親が亡くなったのはかなり前だから関係ない」とは限りません。
相続登記の義務化は、制度開始前に発生した相続で、まだ相続登記が行われていない不動産も対象になります。
実家を建て替えようとして初めて、
「登記を見ると亡くなった祖父の名前だった」
と分かるケースもあります。
名義が古いままだと相続人が増え、権利関係が複雑になっている可能性があります。
建て替えを検討し始めた段階で確認しておきましょう。
兄弟姉妹がいる場合はどうする?
実家の建て替えで特に注意したいのが、兄弟姉妹など他の相続人がいるケースです。
例えば、
・長男が実家を建て替えて住む
・次男と長女は別の場所に住んでいる
という家庭でも、将来的に親が亡くなれば実家の土地が相続財産になる可能性があります。
「自分が建て替え費用を全部払ったから土地も自分のものになる」
とは限りません。
土地が親名義のままなら、将来的な相続について家族で整理しておくことが重要です。
特に高額な建て替え費用を子どもが負担する場合は、
・土地を将来誰が相続するのか
・他の兄弟姉妹はどう考えているか
・新しい建物は誰の名義にするか
などを建築前に話し合っておくと安心です。
共有名義の実家は特に注意
土地や建物が複数人の共有名義になっている場合もあります。
例えば、
土地:兄50%・弟50%
という状態です。
このような不動産で建て替えを進める場合は、一人だけの判断で自由に進められるとは限りません。
相続を繰り返して共有者が増えているケースでは、権利関係の整理に時間がかかる可能性もあります。
建築スケジュールを決める前に確認しましょう。
実家の建て替えで住宅ローンは使える?
条件を満たせば、実家の建て替えでも住宅ローンを利用できる可能性があります。
例えば、
土地:親名義
新築建物:子名義
住宅ローン:子
というケースも考えられます。
ただし、住宅ローンでは土地と建物に担保を設定することが一般的です。
土地所有者と住宅ローンの契約者が異なる場合は、通常の土地購入+新築とは手続きが異なる可能性があります。
金融機関によって取り扱いも異なるため、建築計画の初期段階から確認しておきましょう。
実家に住宅ローンが残っている場合は?
現在の実家に住宅ローンが残っている場合は、さらに注意が必要です。
既存住宅や土地に抵当権が設定されている可能性があるためです。
住宅を解体して新しく建て直すからといって、現在の住宅ローンが自動的になくなるわけではありません。
・現在の住宅ローン残高
・抵当権
・新しい住宅ローン
・建て替え資金
を整理する必要があります。
まず現在借りている金融機関に相談しましょう。
親子で住宅ローンを組む方法もある?
家族構成や収入、同居方法によっては、親子で住宅ローンを検討するケースもあります。
ただし、
・親の年齢
・子どもの年齢
・収入
・返済期間
・所有権の割合
などによって利用できる方法は変わります。
二世帯住宅を建てる場合などは、誰がいくら負担し、誰がどの割合で建物を所有するのかも重要になります。
住宅ローンだけ先に決めるのではなく、名義や資金負担までセットで考えましょう。
二世帯住宅へ建て替える場合
実家を建て替えて、
親世帯+子世帯
で暮らす二世帯住宅にするケースもあります。
二世帯住宅では、
・玄関を共有するか
・キッチンを分けるか
・浴室を分けるか
・光熱費をどうするか
・建物名義をどうするか
・建築費を誰が負担するか
など、一般的な一世帯住宅より決めることが多くなります。
建築費についても、設備を二つずつ設置すれば高くなります。
単純に「大きな家を建てればいい」と考えず、親世帯と子世帯がどこまで生活を共有するのかを先に決めましょう。
実家の建て替えで相続税はかかる?
建て替えをしたこと自体によって、必ず相続税が発生するというわけではありません。
相続税は、相続が発生したときの財産全体などをもとに判断されます。
一方で、
・土地を親から子へ移す
・親が子の建築費を負担する
・子が親名義の建物に多額の資金を出す
など、資金や財産の動かし方によって税務上の扱いを確認した方がよいケースがあります。
実家の建て替えでは、建築だけでなく税務も関係する可能性があるため、個別のケースは税理士などへ相談しましょう。
実家を建て替える前に確認したい7つのこと
1.土地の名義
まず誰が土地を所有しているのか確認します。
親だと思っていたら祖父名義だった、ということもあります。
2.建物の名義
土地と建物の名義が同じとは限りません。
それぞれ確認しましょう。
3.相続人
将来的に誰が土地を相続する可能性があるのか整理します。
兄弟姉妹がいる場合は特に重要です。
4.住宅ローン・抵当権
現在の実家にローンが残っていないか、土地や建物に抵当権が設定されていないか確認します。
5.建て替え可能な土地か
現在住宅が建っていても、現在の法規制で同じ規模の住宅を建て直せるとは限りません。
接道、建ぺい率、容積率などを確認します。
6.実家の解体費
新築費用だけでなく、現在の実家を解体する費用も確認します。
7.家族全員の意向
法律やお金だけではなく、家族間の認識を合わせておくことも重要です。
特に、
「誰が実家を引き継ぐのか」
「親は今後どこで暮らすのか」
「兄弟姉妹はどう考えているのか」
まで確認しておきましょう。
実家を建て替える流れ
実家の建て替えは、次のような流れで考えると整理しやすくなります。
1.土地・建物の名義確認
↓
2.家族・相続人の確認
↓
3.土地の建築条件を確認
↓
4.建て替えプランと概算費用を確認
↓
5.住宅ローンを相談
↓
6.必要に応じて相続・名義関係を整理
↓
7.新居の設計・契約
↓
8.仮住まいへ引っ越し
↓
9.実家を解体
↓
10.新築工事
↓
11.新居へ入居
相続や名義に問題があると、住宅プランが完成していても建築手続きを進められない可能性があります。
そのため、名義確認はできるだけ早い段階で行いましょう。
鳥取で実家を建て替えるなら
鳥取では、親や祖父母から受け継いだ土地・住宅を活用して家づくりを検討するケースもあります。
実家を活用できれば、新しく土地を探す必要がないというメリットがあります。
一方、長く所有している土地ほど、
・登記名義が古い
・境界が分かりにくい
・古い建物が大きい
・給排水設備が古い
・現在の法規制と条件が異なる
といった問題が見つかる可能性もあります。
また、新しい住宅についても、昔の実家と同じ間取りにする必要はありません。
例えば、
50坪の古い二階建て
から、
30坪の高性能な平屋
へ建て替える方法もあります。
家族人数が減っているのであれば、建物をコンパクトにして、
・断熱・気密性能
・耐震性能
・ランドリールーム
・ファミリークローゼット
・室内干しスペース
など、これからの暮らしに必要な部分へ予算を使う方法もあります。
「実家を新しくする」のではなく、実家の土地を活かして、次の世代の暮らしに合った家をつくるという考え方が大切です。
FAQ|実家の建て替えについて
Q.実家を建て替えるといくらかかりますか?
新しい住宅の建築費だけでなく、既存住宅の解体、仮住まい、引っ越し、外構、付帯工事、諸費用などが必要です。
建物の大きさや既存住宅の状態によって総額は変わります。
Q.親名義の土地に自分名義の家を建てられますか?
可能なケースがあります。
ただし、土地の使用関係や住宅ローン、担保などを確認する必要があるため、住宅会社と金融機関へ事前に相談しましょう。
Q.土地を自分名義にしてから建て替えた方がいいですか?
一概にはいえません。
親から子へ土地を移す方法によって税務や登記上の扱いが変わるため、専門家へ確認したうえで判断しましょう。
Q.亡くなった親名義のままでも建て替えできますか?
まず相続関係と登記の状況を確認する必要があります。
相続登記は義務化されているため、亡くなった方の名義のままになっている場合は、建て替え計画と合わせて整理しましょう。
Q.祖父名義の土地でも建て替えられますか?
祖父がすでに亡くなっている場合は、相続人や相続登記の確認が必要になります。
相続が複数回発生していると権利関係が複雑になっていることもあるため、早めに確認しましょう。
Q.兄弟がいても実家を建て替えられますか?
土地の所有状況などによります。
親名義の土地を将来自分が相続する前提で高額な建築費を負担する場合は、他の相続人も含めて将来の扱いを話し合っておくことが重要です。
Q.実家の建て替えでも住宅ローンは使えますか?
条件を満たせば利用できる可能性があります。
土地と建物の名義が異なる場合などは金融機関によって取り扱いが異なるため、早い段階で確認しましょう。
Q.実家を二世帯住宅に建て替えることはできますか?
土地や法規制などの条件を満たせば検討できます。
親子の生活空間をどこまで分けるのか、建築費を誰が負担するのか、建物名義をどうするのかも一緒に考えましょう。
専門家コメント

株式会社ヤマタホーム
代表取締役社長 山田 雄作
実家の建て替えでは、間取りや建築費を考える前に、まず土地と建物の名義を確認していただきたいと思います。
ご相談をいただく中でも、「親の土地だと思っていたら祖父名義のままだった」「兄弟との共有になっていた」というように、家族が認識していた状況と登記上の状態が異なることがあります。
実家の土地を活用できれば、新しく土地を購入する必要がないため、家づくりでは大きなメリットになります。
ただし、親名義の土地に子どもが住宅ローンを利用して家を建てる場合などは、土地・建物・住宅ローンの関係を事前に整理する必要があります。
また、昔の実家と同じ大きさの家をそのまま建て直す必要もありません。
お子さまが独立して家族人数が減っているのであれば、以前よりコンパクトにして、その分を断熱や気密、耐震、家事動線などに使う方法もあります。
実家の建て替えは、建物だけの問題ではなく、土地、相続、家族、これからの暮らしまで考える家づくりです。
ヤマタホームでは、現在の土地や建物の状態を確認しながら、必要に応じて専門家とも連携し、建て替えの進め方や資金計画をご提案しています。
「まだ相続も決まっていない」「名義が誰なのか分からない」という段階でも、まず状況を整理するところから始めていただければと思います。
まとめ|実家の建て替えは「費用」より先に名義と相続を確認しよう
実家を建て替える場合、新しく土地を購入する必要がなければ、土地代を抑えられる可能性があります。
一方で、
新しい住宅の建築費
+実家の解体費
+付帯工事
+外構工事
+仮住まい・引っ越し
+諸費用
が必要です。
さらに一般的な新築と違い、
・土地は誰の名義か
・建物は誰の名義か
・相続登記は済んでいるか
・他の相続人はいるか
・新居を誰の名義にするか
・誰が住宅ローンを組むか
まで確認する必要があります。
特に重要なのが、建て替え計画を進める前に土地と建物の登記を確認することです。
実家の建て替えを考え始めたら、
名義を確認する
↓
家族・相続関係を整理する
↓
土地に建てられる住宅を確認する
↓
建て替え総額を確認する
↓
住宅ローンを検討する
という順番で進めると整理しやすくなります。
ヤマタホームでは、鳥取での実家の建て替えについて、現在の土地・建物の確認から解体、資金計画、間取り、住宅性能まで含めてご提案しています。
「親名義の土地でも建てられる?」「相続前に建て替えて大丈夫?」「実家を解体して平屋にするといくら?」という段階からでも、お気軽にご相談ください。